インストラクショナルデザインとは

 インストラクショナルデザインとは教育活動において効果・効率・魅力を高めるための教育設計の理論・方法のことをいいます。教育設計は、カリキュラムやシラバスの設計だけでなく、ビジネス目標・戦略などその他さまざまな環境要因を加味しつつ最大限の効果をあげる設計方法です。なお、欧米では古くから教育工学の中心的概念として広く用いられてきています。Instructional Designの頭文字をとって「ID」といわれることもあります。
 言い換えると、インストラクショナルデザインは、効果的な教育・研修プログラムを開発するための体系的な方法論です。学習者の目標達成を支援するために、学習内容の分析、教材の開発、評価方法の検討などをを行います。近年、企業におけるeラーニングの導入や、人材育成の重要性が高まる中、IDの需要も高まっています。

研修

インストラクショナルデザインの活用

 インストラクショナルデザインは、かつて米軍における教育において考えられたといわれていますが現在では学校・企業など教育にかかわる現場では必須となっています。 なぜならば、個人・組織などの生産性の向上(バリューの増加)を目的として、教育には効果・効率が求められるからです。また、日本では2000年ごろeラーニングが台頭してきたころから、より活用されるようになってきました。

インストラクショナルデザインのモデル

インストラクショナルデザインには、様々なモデルがあります。ここでは代表的なモデルを2つご紹介します。

ADDIEモデル

 分析(Analyze)、設計(Design)、開発(Develop)、実施(Implement)、評価(Evaluate)の5つの段階で構成されています。 

  • 分析:学習者のニーズ、目標、学習環境などを分析します。
  • 設計:学習内容、教材、評価方法などを設計します。
  • 開発:教材を作成します。
  • 実施:学習プログラムを実施します。
  • 評価:学習プログラムの効果を評価します。

カークパトリックモデル

 反応レベル(Reaction)、学習レベル(Learning)、転移レベル(Transfer)、成果レベル(Results)の4つの評価レベルで構成されています。

インストラクショナルデザインのメリット

 私たちは、教育をほぼ全員が受けてきているため自身の意見を持っています。そのため、個人の経験に基づいた価値観をもっています。これらの価値観で設計された研修や教育は、効果・効率が高いものである場合もあります。一方で、個人や自組織のバイアスがかかり、実際にはそれほど高くないこともありえます。 

 インストラクショナルデザインは、効果・効率・魅力を高める理論・方法などの枠組みであるため、基礎として考えることによりバリューを上昇させる確率の高い教育設計が可能です。 

 もちろん、インストラクショナルデザインとして確立された一般的な理論に、その組織・個人の価値観を加えて受講者にマッチししたデザインを構築していくことが大切です。

弊社の講座開発や教育コンサルの理論

 私たちは、インストラクショナルデザインの理論をベースに講座を開発しています。インストラクショナルデザインとは効果・効率・魅力を高めるための教育設計の理論です。お客様のニーズに基づきゴールを設計し、どうしたら効果的・効率的にゴールを目指すことができるかを考えます。インストラクショナルデザインを専門に学べる大学院としては、熊本大学院教授システム学専攻がありますが、弊社のインストラクショナルデザイナーは本校の修士課程を修了しているインストラクショナルデザイナーがデザインを担当しています。