2024.05.15

ADDIEモデル

概要

 PDCAと同じように、インストラクショナルデザインにもADDIEモデルという基本モデルモデルがあります。ADDIEモデルは、PDCAのようにシステム的アプローチを背景に提案されたものです。ADDIEの各ステップを順番に進めて、システム的アプローチにおける「フィードバックと修正」のループを経ることで、研修をより良いものにしていくのです。

 分析(Analysis)、設計(Design)、開発(Development)、実施(Implementation)、評価(Evaluation)のプロセスを踏みながら研修を設計します。

インストラクショナルデザインの羅針盤:ADDIEモデル

ビジネスの世界で「PDCA」が品質管理の定番であるように、教育・研修の世界にもADDIEモデルという強力なフレームワークが存在します。今回は、このADDIEモデルについて、その基本から活用方法までを深く掘り下げて解説していきます。

ADDIEモデルとは?

ADDIEとは、以下の5つのプロセスの頭文字を取ったものです。

  • 分析(Analysis):研修の目的や対象者のニーズ、課題などを明確にします。
  • 設計(Design):研修の目標、内容、方法、評価基準などを具体的に計画します。
  • 開発(Development):教材やツールを作成し、研修プログラムを構築します。
  • 実施(Implementation):計画に基づいて研修を実施します。
  • 評価(Evaluation):研修の効果を測定し、改善点を見つけます。

PDCAサイクルのように、ADDIEモデルも各プロセスを順番に進め、評価結果を次の分析にフィードバックすることで、研修の質を継続的に向上させていくことができます。

なぜADDIEモデルが重要なのか?

ADDIEモデルを活用するメリットは、以下の3つが挙げられます。

  1. 効果的な研修設計:ADDIEモデルは、研修の各段階で何をすべきかを明確にすることで、効果的な研修設計をサポートします。
  2. 質の向上と効率化:PDCAサイクルのように、継続的な改善を促すことで、研修の質の向上と効率化に貢献します。
  3. 客観的な評価:明確な評価基準を設定することで、研修の効果を客観的に評価し、改善につなげることができます。

ADDIEモデルの各プロセスを深掘り

各プロセスについて、さらに詳しく見ていきましょう。

1. 分析(Analysis)

  • 研修の背景や目的を明確にする
  • 対象者のニーズや課題を把握する
  • 研修の目標を設定する

2. 設計(Design)

  • 研修の目標達成に必要な内容を決定する
  • 研修の構成やスケジュールを設計する
  • 使用する教材やツールを選定する
  • 評価方法を決定する

3. 開発(Development)

  • 教材やツールを作成する
  • 研修プログラムを構築する
  • 研修実施の準備を行う

4. 実施(Implementation)

  • 計画に基づいて研修を実施する
  • 研修中の状況を記録する
  • 参加者の反応や理解度を確認する

5. 評価(Evaluation)

  • 研修の目標達成度を評価する
  • 参加者の満足度を調査する
  • 研修の効果を測定する
  • 改善点を見つけ、次の研修に活かす

ADDIEモデルを最大限に活用するためのポイント

ADDIEモデルを効果的に活用するためのポイントをご紹介します。

  • 各プロセスの連携を意識する:各プロセスは独立したものではなく、互いに密接に関連しています。各プロセスの連携を意識することで、より効果的な研修設計が可能になります。
  • 柔軟に対応する:研修の実施状況や評価結果に応じて、計画を柔軟に変更することも重要です。
  • チームで取り組む:ADDIEモデルは、一人で進めるよりも、チームで協力して取り組む方が効果的です。

まとめ

ADDIEモデルは、研修の効果を最大化するための強力なツールです。ADDIEモデルを活用することで、より効果的な研修を設計・実施し、組織の成長に貢献することができます。ぜひ、あなたの研修にもADDIEモデルを取り入れてみてください。